子どもたちを守るために動き出した日々
夫が、何の説明もなくお給料を渡さなくなったとき、 わたしはすぐに「これは経済的DVだ」と気づきました。まさか自分がこんなことになるなんて…。
お金を渡さない理由は明らかでした。 夫は自分の遊びのために借金を重ね、返済ができなくなっていたのです。 生活していけないから少しでもいいからお金を入れてほしいと何回言っても聞き入れてもらえず、子どもたちの悲痛な声にも耳を貸さず、 時には酔って深夜に帰宅し、怒鳴り声をあげて暴れることもありました。
でも、わたしは立ち止まっているわけにはいきませんでした。悲しんでる時間はない。 高校3年生と中学3年生の子どもたち。 受験を控えたこの大切な時期に、何よりも彼らを守り、 学校に通わせ、日々の生活を成り立たせることが、わたしの最優先でした。
自分自身も、「生活費すら入れてもらえない」という現実に、 深く傷つき、ショックを受けていました。 でも、落ち込んでいる暇はありませんでした。
独身時代に貯めていた貯金を切り崩しながら、 まずは派遣会社のコールセンターで働き始め、 休日には近所のコンビニでアルバイトも掛け持ちしました。 体は正直きつかったけれど、子どもたちの前では、笑顔を忘れないようにしていました。
そして、心が壊れてしまわないように。 自分自身と子どもたちの心を守るために、 わたしは通信教育で心理カウンセラーの資格を取ることを決めました。 夜、子どもたちが眠ったあとにテキストを開き、 自分の心と向き合う時間を少しずつ増やしていきました。
心の学びが教えてくれたこと
カウンセラーの学びを通して、わたしが最初に気づいたのは、 「自分を責めるクセ」が、心をさらに傷つけていたということでした。
「もっと早く気づいていれば…」 「子どもたちに申し訳ない」 「わたしが我慢すればよかったのかもしれない」
そんなふうに、自分を責める言葉が、心の中で何度も繰り返されていたことに、 初めて気づいたんです。
でも、学びは教えてくれました。 「あなたが悪いわけじゃない」 「まずは自分の心を守ることが、家族を守る第一歩になる」と。
心の回復は、まっすぐじゃなくていい
心の傷は、目に見えないからこそ、 「大丈夫なふり」をしてしまいがちです。 でも、無理に元気なふりをすることが、 さらに自分を苦しめてしまうこともあると知りました。
だから、わたしは決めました。 「落ち込んでもいい」「泣いてもいい」 でも、自分を責めるのは、もうやめようと。
心の回復は、まっすぐな道じゃありません。 行ったり来たり、立ち止まったりしながら、 少しずつ、少しずつ、自分を取り戻していくものだと思います。
そして
経済的DVに気づいたとき、わたしはすぐに動き出しました。 子どもたちを守るために、生活を立て直すために、そして自分の心を守るために。
心理カウンセラーの学びは、わたしに「自分を責めないことの大切さ」を教えてくれました。 心の回復には時間がかかるけれど、 それでも前を向こうとする気持ちが、何よりも大切なんだと今は思えます。
この経験が、同じように悩んでいる誰かの心に、 そっと寄り添うきっかけになれたらうれしいです。


